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快適マネーライフ

上手な保険の入り方・見直し方

2008.11.6

上手な保険の入り方・見直し方(1)

マネーライフの充実には、保険、預金、投資の3つをポートフォリオとして考えること必要です。

なかでも保険は、①「入っておけば安心=保険は安心料」という考えが強い、②加入時に「商品」としてしか説明されないことが多い、といった理由からうまく活用していない人が多く、見直しすることで将来もらえる金額がぐんと変わってきます。この連載では、「保険の見直し」を学んでいきましょう。

第1回は見直しの基本になる「コスト」と「リターン」についてです。

◆保険の目的は「お金を減らさないこと」

一般の方と保険の話をしていて、疑問に思うことがいくつかあります。そのもっとも大きな疑問が、「何のために保険に入っているのだろう」ということです。

みなさんこうおっしゃいます。

「保険は何かあったときのために入ってます。掛け金は安心料なんじゃないですか?」

確かに、たとえば掛け捨ての自動車保険なら、事故を起こしてしまったときの安心料として払っているといっていいかもしれません。

しかし、生命保険、学資保険など必ず戻ってくる部分がある保険の場合は話が別。長い人生でやむを得ず支払わなければならなくなる費用について、万一のときにもお客さま自身の“お金を減らさないため”に入るといっていいのです。

目的が「お金を減らさないため」なら、保険の「種類・支払・運用」のしっかりした知識を学び、自分の保険を見直すことで、同じ「万一こと」が起こっても「よりお金を減らさないこと」ができるのです。

◆「コスト&リターン」は「種類・支払・運用」でこんなに違う!?

保険を見直すときにまず考えてほしいのは、保険が「コスト(いくら払うか=総支払保険料)」と「リターン(いくら受け取れるか=受取保険金・給付金・満期金など)」から考えられる「金融商品」であることです。

計算のしかたは「図1」。単純にいえば、「いくら払っていくらもらえるか」です。

保険以外の何か商品を買うときには、価格がその価値に見合うかどうか、つまりコストとリターンを考えて買うかどうかを決めますね。しかし保険となるとこの検討をせず、商品(=広告や外交員、ファイナンシャルプランナーなどが謳うサービス)だけみて買っている(=契約している)お客さまが多いのです。

確かに、先のことで何が起こるかわからない、万一に備えての安心はお金では計りがたい、ということもあるでしょう。しかし、保険に払うのも、あなたや家族の「財産」です。できることなら減らしたくはありません。

さて、掛け捨てでない、いろいろな保険の18年後のコスト(総支払保険料=いくら払うか)とリターン(いくら受け取るか=受取保険金・給付金・満期金など)を比較してみたのが「図2」。リターンには、「生きているうちもらえるもの(=病気やガンでの入院時の保障、学資や年金など)」と「死亡時にもらえるもの(=死亡保険の遺族への保障)」がありますが、ここでは病気やガン、死亡といった万一への保障は考えないことにします。

図2
総支払金額 受取金額 受取÷支払
A保険 5,130,000 5,000,000 97.5%
B保険 4,600,800 5,000,000 108.7%
C保険 4,417,008 5,029,101 113.9%
D保険 3,676,470 5,000,000 136.0%

A~Dはどんな保険だと思いますか。Aは「保険つきの定期保険」、Bは「18年定期の学資保険」、Cは「定期保険で解約返戻金を利用した場合」、Dは参考で、保険ではなくある「投資信託」に18年間投資した場合です。

同じ保険でも、「種類・支払・運用」でずいぶんリターンは違ってきます。とくに保険を、預金、投資を含めたポートフォリオの一つと見た場合はなおさらです。

◆保険には「リスク」もある!?

万一のために入る保険ですが、コスト&リターンの点から考えると意外に「リスク」があります。とくに病気や事故に備えて入っているつもりの「掛け捨て」保険は、「ハイリスク・ハイリターン」といってもいいでしょう。

コスト&リターンで考えると、もっともハイリターンなのは病気や事故で保険金をもらった場合。でもそんな不幸があったら、ハイリターンといっても誰も喜びません。

たとえば医療保険。実際に入院する人は、60~64歳で約1.3%、80~84歳でも5%程度でしかありません(厚生労働省「平成17年患者調査」より算出)。保険料の安さが売り物の掛け捨てタイプの死亡保険も、平均寿命は男性78歳、女性85歳(平成17年度厚生労働省調べ)ですから、“不幸にも”リターンがもらえる人は多くないのです。

つまり掛け捨てなら、加入者のほとんどが“安心料”だけ払っているのが現実。それでもいい、という人もいるかもしれませんが、財産を減らさないために保険に入ったはずなのに、結果的には財産を減らしてしまっています。この意味でいえば「掛け捨て」の保険はかなり“ハイリスク”といって間違いないでしょう。

よく、「保険料の安い掛け捨てで安心を買って、その分をほかで運用した方がいい」といいます。しかし実際に、“その分”を運用して高リターンを受けている人がどれだけいるでしょうか。

財産を殖やすために「投資」は効果的ですが、この連載では「保険の見直し」によって「お金を減らさない」方法を学んでいきましょう。今回は保険をコスト&リターンで見る必要について考えました。

次回は保険の「種類(=タイプ)」についてです。

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