快適マネーライフ
賢いお金の増やし方
賢いお金の増やし方(1)
「保険」「銀行」の連載でも少し触れましたが金融ビッグバン後である現在の環境では資産を、保険、預金、投資、3つの「ポートフォリオ」と考え、バランスの取れた運用をすることが望ましいでしょう。
そのなかでここでは「賢いお金の増やし方」、つまり「投資」について学んでいきます。長く投資にお金を回す習慣がなかった日本人が苦手とする分野であり、しかも2008年に起こった「世界同時株安」もあって不安を感じている方もイる多いかもしれません。しかし、よりよいライフプランを築くために、また日本や世界全体の経済のために、ぜひ賢い投資の方法を身につけてください。
第1回は、まず投資の「リスク」について学びましょう。
◆世界市場は「日本の個人投資家」を待っている
日本の個人資産は約1500兆円といわれていて、これはアメリカに次いで世界で2番目の金額です。日本が個人資産額についても世界有数の経済大国であることは間違いありません。
しかしよく海外から「日本人は投資感覚がない」といわれる通り、全資産のうち現金と預貯金に回っているお金が50%以上。対してアメリカは、約5000兆円のうち株式、債権、投資信託などが50%以上を占め、現預金は13%ほどしかありません。
約1500兆円の約半分、800兆円という巨額をどれだけ市場に回せるかというのがバブル以降の大きなテーマで、金融ビッグバンをはじめとする政策が次々とられてきました。その結果、ネット取引の普及など投資環境の整備もあり、1998年の88兆円(7%)だった日本の外貨、株式、投資信託、外国証券など日本の外貨、株式、投資信託、外国証券など「リスク性資産」は、2006年には187兆円(12%)にまで増えています。それでも、アメリカなど他の経済大国と比べるとまだまだ日本人の預金好きは変わりません。
日本人の投資嫌いの理由としては、定期預金が高利率だった高度成長期と投資失敗が多かったバブル崩壊、両方を経験したことも大きいでしょう。しかし何といっても、労働を尊び、投資によっていわゆる「あぶく銭を稼ぐ」のをよしとしない倫理が根強いからといえます。 「お金は額に汗して稼ぐ」という価値観が悪いはずはありません。しかしそうした価値観が、グローバルなお金の流れを阻止しているとしたらどうでしょうか。
いうまでもなく日本の産業は輸出中心。輸出で得たお金を国内に貯めこんで経済の動きを失速させていることは、批判されてもしかたないともいえます。
世界同時株安は、まず勢いがあった新興国の市場にブレーキをかけました。成長のはしごを登ったところで、資金を引き上げられて支え手がいなくなってしまった新興国は困っています。
世界同時株安のいまこそ、日本の個人が世界市場に投資すべきとき。世界が日本の個人資産家が立ち上がるのを待っているのです。
◆金融商品のリスクを十分に知ろう
そうはいっても、大事なお金をへたに投資して失いたくない。当然です。
投資で損する危険性を「リスク」といいますが、損をするようなら投資はしないほうがいいでしょう。損をしないために、「賢いお金の増やし方」のしかたを学ぶわけです。
今回は「リスク」について、「投資商品」の種類とともに見ていきましょう。
一般に、リスクが高い商品は期待されるリターン(利益)も大きく(=ハイリスク・ハイリターン)、リスクが低い商品はリターンも小さく(ローリスク・ローリターン)になります。多くの商品がありますから、自分の目的に合ったものを選べばいいのです。
リスクにはいくつかの種類があり、同じ商品が複数のリスクを持っていることも少なくありません。一般に次のようなリスクがあります。
- 1)信用リスク:お金の預け先や投資先の経営破たんした場合(例:銀行のペイオフや株式を持っている会社の倒産などの場合)
- 2)価格変動リスク:株価や債券価格などが市場で変動して元本割れを起こす場合
- 3)為替リスク:為替レートの変化で為替差損益が出る場合(例:米ドルで預金している人が「円高ドル安」で損益が出る)
- 4)金利変動リスク:変動金利商品が金利下落の影響を受ける、固定金利商品が金利上昇で高金利を受けられない場合
- 5)流動性リスク:必要なときに現金化できない場合
- 6)カントリーリスク:海外投資で、その国が政治的、経済的要因により、元利金の支払に影響が出る場合
どれもリスクですが、レベルには差があります。たとえば同じ株式でも一般に大会社ほど信用リスクや価格変動リスクは小さく、カントリーリスクは大国ほどリスクが小さいということになります。
◆「レバレッジ」はハイリスク・ハイリターン
金融ビッグバン以降、さまざまな投資商品が購入できるようになりました。
ざっとあげても、「株式」、「債権(国債、社債など)」、「ファンド(投資信託)」、「ETF(上場投信)」、「REIT(不動産投資信託)」、穀物、資源などの「商品取引」などがあり、また商品や「日経225」などの「先物取引」や取引の権利を売買する「オプション取引」、「FX(外国為替証拠金取引)」といった「デリバティブ(金融派生商品)」もあります。一つひとつの商品に関しては次回以降に見ていくことにし、ここではリスクに関してだけ見てきましょう。
投資商品のリスクは一般に「ボラティリティ(Volatility)=変動率」と呼ばれ、「1年」などの一定期間の値動きの標準偏差で表されることが多いです。期間が短いほどボラティリティは高いのが普通です。
一般には、市場での取引額が小さいほど価格の変動は激しくなります。話題のBRIC’s(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめとする新興国の株やファンドに高利益を生むものが多いのは、先進国に比べて取引額が少ないのも理由です。同じことが、ベンチャー企業と大企業の関係でもいえるでしょう。
また、ハイリスク・ハイリターンの金融商品といえば、先物取引やFXなどのデリバティブで可能な「レバレッジ」を効かせた取引があります。「レバレッジ」とは「梃子(てこ)」のこと。梃子を使えば少ない力で大きなものを動かせるのと同じように、少ない自己資金でもその10倍以上の金額を取引できます。
そのため自己資金に対して相当大きい利益を得ることもありますが、もちろん損失も大きくなる可能性があります。まさにハイリスク・ハイリターンな商品。購入には十分な知識と注意が必要です。
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